一般社団法人 日本麻酔科医会連合

過去の予定及び活動報告

第4回日本麻酔科医会連合学術・政策勉強会

下記の要綱で、第4回日本麻酔科医会連合学術・政策勉強会を開催いたします。

日 時 2022年4月9日(土)15:00~18:30
場 所 御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンター2F 
sola city Hall [WEST](WEB参加あり)
(アクセス:https://solacity.jp/access/
参加者 日本麻酔科医会連合会員

内 容

  • メインテーマ:麻酔科医の研究力低下
  • 1.医学領域の研究力低下に関する日本学術会議からの提言
    講演 天谷 雅行
    (日本学術会議 ワーキンググループ 座長、日本皮膚科学会理事長、慶應義塾大学常任理事)
    2.日本の麻酔科学研究の現状 ~研究力低下の現状と対策~
    講演 廣田 和美
    (弘前大学大学院医学研究科長・医学部長、元機関誌専門部会長)
    3.世界における日本の麻酔科医の研究力
    講演 浅井 隆
    (Editor of British Journal of Anesthesia, Associate Editor of Anesthesiology, Associate Editor-in Chief of Journal of Anesthesia, Editor of Journal of Anesthesia Clinical Reports
     
    コメンテーター 磯野 史朗:「麻酔」編集会議委員
    天谷 文昌:Editor-in-Chief, Journal of Anesthesia
    長坂 安子:Associate Editor, Anesthesia and Analgesia

    企業共催セミナー

  • テーマ:筋弛緩モニター
  • 座長 中塚 秀輝
    (川崎医科大学附属病院 麻酔・集中治療科部長(教授))
    1.筋弛緩モニターの現状と問題
    講演 鈴木 孝浩
    (日本大学医学部附属板橋病院 麻酔科主任教授 部長)
    2.筋弛緩モニターの紹介
    講演 筋弛緩モニターAF-201P(日本光電工業株式会社)
    高木 俊一
    (日本大学医学部附属板橋病院 麻酔科病棟医長 ICU室長 臨床准教授)
    講演 TetraGraph(フクダ電子株式会社)
    岩崎 肇
    (旭川医科大学病院 麻酔科蘇生科 講師)
    講演 ToFscan(センチュリーメディカル株式会社)
    北島 治
    (日本大学医学部附属板橋病院 臨床准教授 助教 医局長)
     
    コメンテーター 小竹 良文
    (東邦大学医療センター大橋病院 麻酔科教授)

開催報告

第4回学術・政策勉強会開催

令和4年4月9日(土)に、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにおいて第4回学術・政策勉強会を開催しました。 今回のテーマは、「麻酔科医の研究力低下」として、ハイブリッド開催とし、現地参加61名、WEB参加44名の合計105名の参加がありました。

講演内容

  • 「日本学術会議:専攻医募集シーリングによる研究力低下に関する緊急提言」の意図するところ
    日本学術会議ワーキンググループ座長
    日本皮膚科学会理事長、慶應義塾大学常任理事
    天谷 雅行
  • 本邦麻酔科学領域における研究力低下
    元機関誌専門部会長
    弘前大学大学院医学研究科長・医学部長
    廣田 和美
  • 世界における日本の麻酔科医の研究力
    Editor of British J. Anaesth , Associate Editor of Anesthesiology,
    Associate Editor-in Chief of J.Anesth, Editor of JA Clin. Reports
    埼玉医科大学埼玉医療センター
    浅井 隆
  • 「東京でのCOVID19対応 その2. 通常診療維持下にコロナ対応を試みた大学病院」
    内田 寛治(東京大学)
コメンテーター 磯野 史朗
(「麻酔」編集会議委員、千葉大学)
天谷 文昌
(JA Editor-in -Chief 、京都府立医科大学)
長坂 安子
(A&A Associate editors、東京女子医科大学)

企業共催セミナー「筋弛緩モニター」

  • 筋弛緩モニターの現状と問題
    鈴木 孝浩(日本大学医学部附属板橋病院)
  • 筋弛緩モニターの紹介
    AF-201P (日本光電工業株式会社)
    高木 俊一(日本大学医学部附属板橋病院)

    TetraGraph (フクダ電子株式会社)
    岩崎 肇(旭川医科大学)

    ToFscan (センチュリーメディカル株式会社)
    北島 治(日本大学医学部附属板橋病院)

麻酔科医の研究力低下<要約>

1.天谷雅行先生:「日本学術会議:専攻医募集シーリングによる研究力低下に関する緊急提言」の意図するところ
世界の中で日本の研究力は低下しており、医学領域での研究力も低下してきている。 初期臨床研修必修化、専門医制度でのシーリングが影響している。 専門医取得が目標となってきており、学位取得を希望する者は40%台と低下している。 また、地域格差、診療科偏在が優先稼働となっている。
日本学術会議での提言は、医師の必要数算出が診療のみから算出されており、研究・教育活動が勘案されていない点を指摘している。 「臨床研究医コース」が新設されたが、 制約が出てきているため、定数に満たない状況である。 今後、初期臨床研修必修化、専門医制度、臨床研究法の影響に加えて、働き方改革の問題が迫ってきている。 日本学術会議では、働き方改革が研究力低下への影響を検討している。 文科省は働き方改革に関して他人事の印象がある。 研究は、労働か自己研鑽かの難しい問題を解決していく必要がある。
2.廣田和美先生:本邦麻酔科学領域における研究力低下
世界のトップ10の雑誌での日本の論文数は低下の一途である。 本来増加しているのが当然であるが、日本の論文数は減少している。 特に、元来日本では臨床研究論文が少ないが、さらに減少している。 国内の麻酔関連トップ3雑誌への掲載論文数も減少している。
国立大学の法人化と初期臨床研修必修化の影響が大きい。 国立大学の法人化により、病院経営環境、診療時間増大、研究時間減少している。
これまでに、若手が最初に投稿するのは症例報告なので、症例報告を掲載するためにJACRを創刊してきた。 また、日本麻酔科学会では会員への研究サポート、多施設共同研究の推奨を行ったが、公益法人として適さないとして中止に追い込まれた。 今後、若手優秀演題賞等の新設などを進めたい。不正論文への対策も重要である。
3.浅井隆先生:世界における日本の麻酔科医の研究力
日本では基礎研究が重要視され、臨床研究が 軽視されてきた。 また、世界での麻酔関連重要雑誌での Editorとなっている人が少ないこともある。
論文不正では、日本人が際立って目立っているが、日本人の不正が多いのではなく、日本人は注目されており、調査をされてしまうことに一因がある。
国際的学会での大型研究やガイドライン作成への関与や、学会や雑誌編集委員会など組織による、研究計画時点からの関与が必要と考えられる。
コメンテーター
発表で賞を与えるだけでは、投稿に至らないのでは。
働き方改革で、パート時間に制限が出来ると、大学から人が離れるのではないか。
1990年代にNが多い大型臨床研究が世界で増えてきたが、日本では大型研究が行われないことが、低下の根底にあるのではないか。
などの意見が出された。

コメンテーター:(左より)天谷文昌先生、長坂安子先生、磯野史朗先生、武田純三(座長)

企業協賛セミナー

上村裕一先生(右から2番目)による3社へのインタビュー

1.筋弛緩モニターの現状と問題

鈴木孝浩先生

2.筋弛緩モニターの紹介

高木俊一先生

日本光電工業 AF-201P

岩崎肇先生

フクダ電子 TetraGraph

北島治先生

センチュリーメディカル ToFscan

閉会の挨拶

森田潔先生